「Kindle Paperwhite 3G」が、もうすぐ日本でも販売されます。たぶん、この端末が最も電子書籍リーダーの理想系に近い端末となるでしょう。
なぜなら、経済学用語で言う「取引コスト」が、もっとも小さい(面倒な操作が必要ない)端末として設計されているからです。
つまり、
・PCを経由せずAmazonストアに接続して電子書籍を購入できる
・Amazonストアへの通信料金はAmazonが負担するので無料である
・ワン・クリックによる購入
・購入した書籍はクラウドにも保存される
です。
これが、ソニーなら毎回パスワードの入力、楽天なら購入方法の確認が必要となります。いずれも、面倒くさい手順が挿入されていることにより、買いづらさという「取引コスト」が大きくなっています。
特にソニーなんか、Walkmanが著作権保護の面倒な仕組みのためにAppleのiTunesに敗れたにもかかわらず、同じ轍を踏んでAmazonにも破(滅)れようとしています!
その昔、シャープのGALAPAGOSは、購入時にも大きな「取引コスト」が発生したため、壊滅してしまいました。
どうも日本企業というのは、〝面倒くさいのが好き〟 なようです。
また、Amazonは品揃えについてもしたたかです。日本勢はコミックや雑誌ばかりを必死で品揃えしていますが、Amazonはちゃんとしたエッセーなども揃えてきており、若者以外へ普及のための伏線もしっかり敷いています。
日本企業がAmazonの先を越せないのは残念ですが、物を作ることばっかりで想像力が足りない(お客様の欲しいサービスが想像できない)という日本企業のウィークポイントがここでも露呈しているということです。
2010年日本の電子書籍元年は落第点で幕を閉じる
「メイドインジャパン逆襲のシナリオ」を観て
「メイドインジャパン逆襲のシナリオ」を観て(2)
GALAPAGOSは【弁当化】すべし
GALAPAGOS:日本メーカーの出遅れを具現化したもの
Tsundoc:第二世代電子書籍リーダーとはこれだ