2006年09月28日
何を変えるか/何に変えるか/いかに変えるか
エリアフゴールドラット著の「The Goal」を読みました。
この著者は、元々工場のスケジューリング・ソフトの開発/販売を行っており、その販促として「The Goal」が書かれました。
しかし、この本はベストセラーになりましたが肝心のスケジューリング・ソフトはさっぱり売れなかったそうです。
(社長自らペンを握り、著書の中ではソフト名をあえて出さず問題提起だけをし、ソフトを買うように仕向けるはずだったのですが・・・
策士、策に溺れる・・・)
なぜ? それは、本書にあるように論理立てて考え企業パラダイム変革が出来るならば、工場の効率化を実現できたからです。
すなわち、IT化することで問題が解決するのではなく、ITは問題を解決するための道具の一つであり、問題を解決するのはあくまで人だということです。
この本の主題として次のキーワードが出てきます。
『
●何を変えるか(何が問題か)
●何に変えるか(問題の解決方法)
●いかに変えるか(どう実現するか)
』
これを例えば人月供給会社(コンピュータのソフトウェア開発請負会社)の問題に当てはめると次のようになります。
■■■何を変えるか(何が問題か)
▲技術ではなく人月を顧客に供給する会社になっている。
だから代わりは沢山あり、価格競争に巻き込まれている。
・人月で勝負するなら十分な在庫がない。(人が少ない)
・少人数なのに人月供給会社として振舞うから、人の数がすぐボトルネックになる。
現状では技術がボトルネックになることは少なく、人の数がボトルネックになっている。
▲技術で勝負するだけの分野を抑えていない。
▲技術が人に偏在している。
会社全体で技術を保有していない。
たまたま知っている人が仕事をするので、会社に技術があるように見えている。
技術が他の社員と共有できない。-->技術伝授のための教育を行っていない。
特に中堅以上の社員に対しては手付かず。
-->保有技術が陳腐化、不良資産化。
-->会社全体の技術資産減少。
-->競争力低下、付加価値減少。
▲人をオーダーに固定化するため、スループットが極端に悪い。
(人の数 * 人月単価 = 総売上:これ以上売上を増やす手段がない)
■■■何に変えるか(問題の解決方法)
▲人月供給会社として行動しない。
顧客との契約は「人月いくら」ではなく、「この技術供給でいくら」とする。
これができるよう経営側サイドも営業サイドも認識し行動すること。
▲顧客に提供できる技術/サービスを明確化する。
・何で勝負する会社かはっきりさせる。-->社長が決断して旗印を作る。
▲会社の保有技術を維持向上させる。-->技術のコラボレーション方法/システムを作り、うまく回していく。
・共有ツールを活用できるか? XOOPS or PukiWuki or BLOG or Notes
・テックボックス(技術のおもちゃ箱)を作成する。
-->面白いと思った技術を、誰もが気軽にすぐ試せるような環境として整備しておく。
-->オーサリングツールの活用?
-->バーチャル環境にデモを入れて、仮想PC(VMware or VirtualPC)のイメージファイルとして作成しておく。
・デザインパターンのリサイクル
・グループをフューチャ・ラボ化する。-->固有技術に特化したグループ編成にする。
▲オーダーを技術部品に分割し、これをグループ間で分担することにより複数の仕事を同時に行えるようにする。(スループットの向上)
または、他社で代替できない仕事ならば単価を上げる。
★ソフト開発を工場のベルトコンベアのように出来ないかなあ。
1) 仮想PC上に開発システムを作る。
2) 仮想PCのイメージファイルとして、開発グループ間の作業を流して行く。
例:Aチームがビジネスロジックを実装したら、それをBチームに渡しユーザーI/Fを実装する。
#仮想PCは、「VMware Player v1.0.0:フリーソフト」を利用することにより、低コストで環境整備できる。
▲マーケットを睨んだ営業活動を行う。
・顧客の窓口担当者の意見を過大評価しない。(社内で顧客の大半の意見のように言わない/考えない)--> 客観的にマーケットを考えて営業する。
・顧客の要求に反することでも、顧客の最終利益が最大になるソリューションがあれば、それを提案できる気構えが必要。
■■■いかに変えるか(どう実現するか)
▲顧客に提供できるものを決める(人月ではなくソリューションを)
▲コラボレーションツールを内と外で同時展開
・「技術のコラボレーション方法/システム作り」をして、社内のコラボレーション環境を確立する。
・これで得られた成果物を2007年問題対応のソリューションの土台にする。
★組織、労働、仕事に疑問を持ったとき
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