2006年12月16日
ホワイトカラー切り捨てはコラボレーションを生まない
IT業界はコラボレーション・ツールを売り込んでいますが、派遣社員で構成する会社や、ホワイトカラー切り捨て政策 【ホワイトカラーエグゼンプション】 では、コラボレーションの発展する余地がありません。
まず、派遣社員の立場だったら、
●コラボレーションで自分だけが使っているコツを他の人に使われたら、自分の商品価値が下がる。
●コツは自分だけのものとし、「やっぱりあんたが居ないと」と言わして、契約更新につなげる。
と考えるでしょう。
正社員の立場だったら、
●会社は成果主義なので、コツは自分だけが使って実績を上げ賃下げを防ぐ。
●同僚の賃金が上がることは自分の賃金が下がることだから、ノウハウは共有できない。
と考えますね。
コラボレーションは共栄共存の前提のもとに成り立つものですから、周りがすべてライバルという弱肉強食の環境では発展しません。結局、ノウハウが特定の個人に留まることとなり、会社はその人に高い給与を支払うはめになります。
コラボレーションを円滑に行い会社を強い組織にできれば、ホワイトカラーを切り捨てるよりも多くの価値を生める可能性があるのですが、目先のお金の勘定しかできない企業経営者にはそれが分からないようです。
このままの状態が続くならば、社員の忠誠心やモラルもなくなり、成果を達成するという脅迫観念から不正行為も後を絶たなくなるでしょう。そうなれば、日本の良さもなくなり、かといって米国のような多様性も持たないまま東アジアで衰退の一途をたどるのかもれません。
IT業界はコラボレーション・ツールを売りたいなら、「コラボレーション・ツールでここまで価値ある組織ができる」ことを証明しないといけませんね。
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